幸せの残量─世界と君を天秤に─



「………」


「………」


「………」


気まずいんですけどー。


凍った空気を更に冷たくしているような巧さん。

それに負けず劣らず氷点下な不良くん。


ねぇ、ちょっと君ら何がしたいの。


おかしいな。巧さんに至ってはきっとお見舞いに来てくれたのに更に悪化しそうな気がするのはどうしてかな。


大人でしょう、貴方。



けれど、そんな沈黙を破ったのは意外にも不良くんの方だった。


「……──じゃあ、俺帰ります」


「え、何でいきなり敬語?」


「また学校で会いましょうね」


「うん、いやあの私無視?」


「お大事に。……水上先輩」


「あれ…何で名前……?」


不良くんは扉に手をかけて、振り返った。


「有名ですよ。二年に可愛い先輩がいるって」


そう残して、不良くんは病室を出ていった。