幸せの残量─世界と君を天秤に─



「亜優美、こいつ誰だ」


「えっと……発作を起こした私を助けてくれたっぽい不良くんです」


「……ふーん」


あれ、何か不機嫌ですね?


「巧さん?」


「……別に、何でもない」


「はあ…そうですか?」


歯切れの悪い巧さんを不思議に思いつつ、改めて巧さんの格好を見ると。


白い部屋に白衣の巧さんは似合っていて。

漆黒の髪だけが、浮いているように思えて。


けれど、不意に視界に入った赤色に、何故だか可笑しさが込み上げてきた。


「そういえば、不良くん」


「いや、だから不良じゃないってば……」


「助けてくれてありがとー。まだお礼言ってなかったよね」


「……ん、別に、大したことじゃないし」


……デレた?

いや、微妙?


「そういえば、病院嫌いなのに、大丈夫?」


「……まあ」


そんな感じで割と和んできたのに。


「帰れば」


「は?」


「ちょ、巧さん」


巧さんの一言で空気がピシッと凍った。気がする。