「…んしょ……っ」
「ちょ、寝てなくて良いのかよ」
上半身を起こして、再び不良君を見た。
若干顔が白い。
何かもう、君が大丈夫?
「どしたの」
「……別に」
「何かあるでしょ」
「ないって」
「嘘」
「…………病院きらい」
本気で嫌いなようで、眉が下がって何だかわんこみたいだ。
「…でも付き添ってくれたんだ?」
「なっ…!別にっ、んなんじゃねぇよ!」
おお、なんか可愛いかも。
さっきは嫌いって言っちゃったけど。
いや、屋上での不良君は嫌いだけどさ。
今の不良君は犬耳が見えるよ!
「よしよし」
「…何してんの」
頭を撫でれば、不機嫌そうな声が返ってきて。
でも、顔は妙に嬉しそう。
「何かちょっと同じ匂いを感じる」
「…何だそれ」
そのまま暫く撫でていると、突然病室の扉が開いた。