「………」


目を丸くしたまま、立ち尽くす。


こんなこと、言うつもりじゃなかったけれど。

でも、だって。


否定するつもりなんて更々ないけど。

嫌いなの、こういうの。


生きたいと願った人の祈りは届かないものなのか。



「……じゃあ、どうすればいいんだよ」


ポツリと零れた声は、色なんて付いてないようで。


「他人に聞いて、それで納得出来る程度のことなの」


「………ムリかも」


「だったら聞かないで」


「………」


私、きらい。


「君のこと、きらい」


「……!」



上を見れば、青空が広がる。


それなのに、この灰色の屋上はそんな空とは対照的に、爽やかさなど皆無。


まるで重たく分厚い雲の様。




「……に」


震える声は、本心?


「あんたに何がわかるんだよっ!!」


叫びは、心の傷を広げて。


「何も知らないくせに…!」


「…知らないよ。私は君じゃないから」


――ドクン