幸せの残量─世界と君を天秤に─



「妹がいると、話したことがあっただろう」


花奈さん…。

巧さんの妹。


「――…病気だったんだ」


「え……」


「心臓病だった」


ハッと息を呑んだ。

だって、まさかそんな。


「じゃあ…このお墓……」


「花奈が眠っている」


「────っ」


その言葉は私に重くのし掛かった。


「花奈を助けたくて医者の道を選んだ。……その花奈も俺が高校生の時に病気が悪化して」


結局助けられなかったけど…。

そう話す巧さんはきっと傷付いて傷付いて、


私がその傷を癒すことは出来ないけれど。


「巧さん……」


「あゆみ」


ギュッと巧さんに抱き着いた。


癒すことは出来ないけれど、せめてこの人がこれ以上傷付くことのないように。