柿崎の家は、一言で言うと…取り敢えずでかい。


流石にテレビに出るような何億もする大豪邸って感じではないけれど。

それでも高級住宅街の中でさえも異色のオーラを放っている。


…なんだ。私の周りはお金持ちばっかか。


「お帰りなさいませ」


「あ、今日は友達来てるから、何か飲み物持って来て?」


「かしこまりました」


「………」


……え、今の誰?

明らかにご家族とは異なる態度のご老人が…。


「まあまあ、気にしない」


「あ、はい…」


気になりつつも、柿崎がそう言うんだから仕方ない。


そして柿崎の後ろについて通された部屋は、当然の如く広かったです。






「……で?」


軽く部屋を見渡していると柿崎から何やら期待に満ちた声が。


「……で、とは?」


そう言った瞬間、黒い空気が醸し出されたのは気のせいだと思いたい。