それから電車に乗って三駅ほど行った所で降りた。
その間もずっと先程のような会話が繰り返されてます、ええ。
「やばっ!あの人超イケメンー。インテリっぽい」
「…どこ?」
「ほらあそこ!」
「んー……ああ、…確かにイケメンだ」
「だよねー」
柿崎が示した先には黒髪で眼鏡を掛けた、確かにインテリっぽい雰囲気のイケメンがいた。
…何処と無く、巧さんに似てる。
って、また…。
結局巧さんのことを考えてしまう自分に溜め息をつく。
今は巧さんのことなんて考える必要、ないのに。
そう思っていても、私の意思とは関係なく、思考回路は巧さんに繋がっていく。
……重症だ。
今更な気がしないでもないけれど。