幸せの残量─世界と君を天秤に─




「んー………」


うっすらと目を開けると巧さんの顔が目の前にあった。


あー……なんだっけ。

巧さんが風邪をひいて、お粥作ってたら引っ張り込まれて……で、なんかキスされて氷枕代えて、……寝たのか。


まだ冴えきらない頭でぼーっと巧さんを見つめる。


いつ見ても、キレー…。


巧さんの端正な顔を見ていると、なんていうか、こう……キスしたい。

という衝動が。


んー。いい、かな。口じゃなきゃ大丈夫だよね。

というか、私寝る前に額にキスした気がする。


…まあ、いいか。


余計なことは気にしないでおこう。

そう言い聞かせて、目蓋にそっとキスを落とした。


「……夜這い?」


「…はっ!?」


顔を離すと巧さんの声が聞こえてきた。


「って、起きてたんですか」


「まあな」


「……ムッツリ」


「寝込みを襲う奴に言われたくないな」


「…私は寝起きでしたもん」


……言わば、寝起きを襲ったんですもん。


というか、あれだけキスしてきておいて私に夜這いだなんて。

どんだけ、ごーいんぐまいうぇいなんですか。