幸せの残量─世界と君を天秤に─




「今度こそ大人しく寝てて下さい……っね!?」


巧さんをベッドに寝かせようとしたら、あろうことか私も一緒に引き込みましたよこの人。


「いや、何がしたいんですか」


間近に見える端正な顔に問い掛けても、返ってくるのは荒い吐息だけ。


「……」

まあ、いいか。
お粥はまた、温めればいいし。


腰に回る腕がさっきより熱くて、熱が上がったのかとおでこをくっ付ければ、予想通り、そこは確実に熱を持っていた。


どうしよう。いつの間にか冷えピタは剥がれてるし、氷枕持ってきたいな……。



抜け出そうと身を捩ってみても、腕の力が強くなるだけ。


「あゆみ…」


「何ですか?」


うっすらと開いた瞼は力なく、今にも閉じてしまいそう。



「……ここ…、いろ」


「、」


そんなことを巧さんの口から聞く日が来るとは。