「はにゅーん。巧しゃん……」


摺りよってくる亜優美はまるで猫のようで。


ほんのりと赤く染まった頬

軽く潤んだ瞳

転がるチューハイの缶



……。

「どうしてこーなった」


いや、原因はきっと、というか確実にこのチューハイなのだろうが。

これを飲むに至った経緯が不明。


「おい、亜優美」


「にゃーんですかぁー?」


「……はあ…」



溢れたため息は、空しくリビングに消えた。