「ハァ…もうウザい。」



友達の由伊に、そう言われた放課後。


私は瑞希に「今日は1人にして」と言って、いつもの場所に来ていた。



グラウンドにはまだ誰もいなくて、更衣室のある下から僅かに声がする。




「…っ…」




泣きたくないのに…
涙が出る。



“ウザい”なんて、言われたの…初めてだ。




最近の帰宅のこともあって、私は由伊にとる態度が変わっていたことに自分でも気づいていた。


キツイ言葉を言わないように、なるべく堪えていたのに…



彼女から言われた衝撃的な言葉は、私の胸に深く傷つけた。




涙がポタポタと手摺りに落ちる。


ズズッと鼻を啜って、「こんな姿、高梨くんや瑞希に見せたくないな…」なんて思っていた末…




「見学?」




彼の声がした。