目を開けると
どアップの母の顔。

一回鼻をふんっ、と
鳴らして体勢を
仁王立ちにした。



「遥妃は何回呼んだら起きるのかしら」


あまりの眠さに
答える気にもならず
黙っていたら

「優凪は起きてるわよ」

って捨てゼリフを
吐かれてしまった。



そんなの関係ないじゃん。
悔しい気持ちを
枕をグーで殴って
紛らわす。


いちいち比べないでよ。
私と優凪は違うんだよ。



口癖である
「人は人、自分は自分」の
意味をわかって母は
私にそんなことを
言っているのだろうか。