ももいろ

「なんだよ。恥ずかしがったり喧嘩売ってきたり。わけわかんないサツキさん」

あっちを向いたまま言いながら、あたしがさっきまで着ていたスウェットを放り投げてきた。

「あ。これもか」

ぱんつが後から飛んできた。

「あ、ありがと」

「俺そっち見ないから!早く着ちゃいなさい」

「…ハイ」

「着たら、お説教ね!」

「ハァイ」

あたしは着替えながら思った。

司くんて、変わってるよね。

世話焼きにも程がある。

あたしはおもしろ…いや、司くんが構ってくれるのはうれしいけど、司くんは疲れないのかな?

「着た!?」

「着ました」

司くんはグルッとこっちを向いて、

「サツキさん!あなたねぇ!」

仁王立ちで、目を吊りあげてガミガミ言い始めた。

あたしはしばらく、小さくなってソファに座っていたけど。

うーん。

眠い。

ふわふわ酔ってる時に司くんの声って、気持ち良くて眠いなぁ。

でも、お説教されてる時に寝たら、ますます怒るだろうなぁ。

よし。

「痛いよお」

「は!?」

あたしは大げさに顔をしかめた。

「司くうん。頭、痛いよお」

「あんなに飲むからだよ!」

プンスカしながらも、司くんはあたしにお水を渡して、

「それ、飲んで。今日はもう寝なさい!」

とバスタオルやタオルケットを片付けはじめた。

「ありがと…」

「もうっ明日お説教ね!おやすみ!」

「おやす…わあああ!」

自分の部屋に向かおうとしてソファから立ち上がったら、ふらついて倒れてしまった。

あ、足に来てる…。

「サツキさん!大丈夫!?」

司くんはあたしを抱き起こそうとして、ため息をついた。

「足ガクガクじゃん」

うぅ…

「もう…バカ」

そう言いながら、あたしの腕をひっぱって司くんは自分の肩につかまらせた。

「ほら、歩く!」

「すいません…」

あたしにつられてヨタヨタしながら、司くんはブツブツ言っている。

「もう…酒癖悪い女ってサイテー。従ってサツキさんはサイテー」