「ははははは」
簡単なことに気付いて、一人で笑ってしまった。
そういえば俺、酔っ払っても、自分からちょっかい出したことってない。
来るもの拒まずで、谷川にたしなめられたことはあるけど。
それがなんだよ、サツキさぁん、元気出るおまじなーい、て。
アホか俺。
肉じゃがを次々に口に入れ、お皿をカラにした。
大事だからデキマセンなんて、クッサイ男だな。
バカか俺。
あ、あんまり待たせるとサツキさんのぼせちゃうな。
…。
一瞬、頭にサツキさんのバスタオル姿が浮かんだ。
スタイル、いいよなぁ…なんて思ったっけ。
いやいやいやいや!頭を振ってかき消した。
大人の男なら我慢!
とりあえずあの人、当分禁酒!
酔っ払う度にあんなことされたんじゃ、身が持たないよ。
今からも持つかわかんないけど…
いや!いや!エロいことシマセンよ俺は!
ったく、サツキさん、もっと自分を大事にしてほしいよ。
よかったね?相手が俺で。
ワンマンライブで気分よかったのになんなの!て思ってたけど、
今すっきりして気分いいから、いいや。
何がって?
俺はサツキさんが大事だよってわかったから、すっきり。
…キスくらいいいよね、しちゃったもんはしょーがない。


