むしろ嫌じゃないからわけわかんなくなってきてるっていうか…
なんて言えない。
「サツキさん…ごめんね?」
なんで謝るの…
司くんはあたしから体を離し、悲しそうな顔をした。
なんでそんな顔するの?
「酔っ払ったときは、帰ってこないようにするね、本当ごめん」
…。
なんでそーなる…
ショボンとしてる司くんを見ていたら、意地悪な感情が沸き上がってきた。
「あたしの背中は流せないっていうのね」
我ながら意味不明。
「酔っ払ってでも、あたしには触りたくないわけね」
どんどん話がおかしな方向に…
これじゃ、まるで
誘ってるみたい。
「だってサツキさん、俺が触ると嫌がるじゃんすごく」
司くんまでおかしなこと言い始めちゃった。
なんなのこれ…
これじゃ痴話喧嘩だよ。
司くん、好きな人いるのに、なんであたしとこんな話を…
そうだよ。
「あたしが嫌がろうがどうしようが、関係ないじゃん」
イラついてきた。
意地悪したい。
意地悪したい。
司くんだってただの男じゃん!
あたしが勝手に美化しておかしくなってるだけだ。
面倒臭い!
おかしくなるほどの相手じゃないよ。
ヤッちゃえばみんな一緒だ。
あたしは司くんの首に腕を巻き付けた。
「うわ!サツキさん…やめ…」
「嫌がってるのはそっちじゃないの?司くん」
「う…そうじゃないけど」
司くんの耳元で囁いた。
「じゃあ、お風呂で待ってるね」
「はっ!?」
あたしは体を離し、
「流してくれるんでしょ?背中」
と言ってリビングを出た。
何してるんだろ…


