「ただいまー」

ん?

見覚えない靴…お客さんかな?珍しい…

リビングにはいると、サツキさんと女の人がお茶を飲んでいた。

「わっ、本当に司クンじゃん!すっごい」

うっ!?何!?

俺、こういうの苦手。

女の人の後ろで、サツキさんが申し訳なさそうな顔をしている。

ん。

あれ?

「小雪さんだ」

「わっ!覚えてくれてる!嬉しい!」

「この前、CD買ってくれましたよね。コウジさんの、彼女さんでしょ」

覚えてるよ。

コウジさんは、ちょくちょく顔を出してくれてるし。

「サツキさんと、友達だったんですね」

「そう、前一緒に暮らしてたの、あたしだよ」

「えっ、そうなんですか」

へえーっ。偶然。

「そうだ。ワイン買ってきたんですけど、飲みますか?」

そう、俺、早速買ってきたワイン。

意味わかんなかったから、赤、白、シャンパン、各2本ずつ。

「わ、本当に買ってきたんだ」

ちょっと!サツキさん!?

「アナタがワイン好きって自分で言ったんでしょ!?」

「でもそんなしょっちゅう飲まないし…」

「なんだよ!別にすぐ空けろとは言ってないでしょ!?重かったんだからちゃんと責任とってよねコレ!」

ぷぷ、と小雪さんが笑っている。

あ、しまった、つい。

「コホン。小雪さん、飲まれますか?」

「ふふ、ありがとう。でも、遠慮しとくよ。もうすぐダーが迎えに来るし」

ダー。

コウジさんね。

「そう?ゆっくりしてけばいいのに。どうですか?コウジさんも」

「ふふ、お気遣い無く。司クン、コウジにつかまったら長話になるよぉ」

「僕は、嬉しいですけど」

あ、でも二人のお邪魔かしらん。

サツキさんは俺をちらっと見て、

「ぷ、僕だって」

と口に手を当てて吹き出した。

「何!?文句あんの!?」

「別に…ププ」

んもう!調子狂うなあ。