「サツキさん、人気なんだね。俺もがんばんなきゃ」
素直に感想を述べたつもりだったんだけど、サツキさんの顔は曇ってしまった。
…なんか悪いこと言ったかな?
「司くんとあたしは、違うから…」
そう言って、うつむいてしまった。
????
俺が貧乏ってことかな?
…。
あ!そうだ!もの申さねば!忘れるとこだった!
「ちょっとサツキさん!」
「…!な、なに」
「これ、何!」
俺は、「必要経費」と書いてある封筒を突き出した。
「見ての通り、必要経費…足りなかった?」
足り…!馬鹿!?
「足りないわけ無いじゃん!逆!なんでこんないっぱい入ってんのってこと!」
いくら入ってたと思う?
10万だよ?
聞いた?しかも足りなかった?だって。
ズレ過ぎでしょこの人!
「もう!嫌がらせだなここまでくると」
「…ご、ごめん。あたし、自炊したことなくて、相場がよくわかんなくて」
サツキさんは、俺のあまりの剣幕にオロオロしていたけど、ハッと思いついた顔をして言った。
「あ、じゃあそれ、1ヶ月ぶんの食費で」
「それでも多いよ!!!!」
…ん?1ヶ月?
「俺、部屋見つかったらすぐ出て行くから1ヶ月もいないよ?」
「あれ?聞いてないの?さっき鶴田さんからメール来てたんだけど」
オーナーから?
サツキさんはケータイのメール画面を読み上げた。
「いろいろ当たってみたけど適当な物件はありませんでした。申し訳ないけど、しめじっ子のこと長期間預かってもらうことになるかもしれません。俺も忙しいので。ホントごめんね。…だって」
…マジで?
「オッケーでーす、て返信しときましたから」
……マジで?
ていうかしめじっ子って。


