ウッ…。
可愛い。
顔腫れてるしかゆそうだけど。
ああ、もう、くどいようだけど
独り占めしたい!
でも…以下ループ。
俺は本当に自分が情けない、以下省略。
「俺…なんにもできなくてごめんね」
「なんで?してくれてる」
「家事のこと?…俺家政夫ですし」
「それもだけど、そうじゃなくて!」
サツキさんは一生懸命説明しはじめた。
「口うるさくてお節介でズレてて、日本語おかしいし変に意地っ張りで無神経でたまにムカつくけど」
…ちょっと。
「バンド頑張ってて、ライブの時はすごくかっこいい、前向きで強い司くんが、あたしを大事に思ってくれてることが、あたしを勇気づけてくれた」
「…サツキさん」
サツキさんは、照れ隠しに少し笑って俺の前髪をつまんだ。
「明日、切ってあげるね。どういう風にしよっか?」
真面目な顔つきになって聞いてきた。
「ライブの時、髪で顔半分隠れてるのはわざとなの?長めがいいの?」
「いや、ほっといたら伸びただけ。ライブのときは落ちてきちゃう」
サツキさんは俺の顔や頭を眺め回してブツブツ言いはじめた。
「せっかくいい顔してるんだから、もっと見せたら?頭の形いいし、短くしてもいいかも。スーツに似合ってお洒落だけどホストっぽくならない髪型とか…それだと長めがいいのかなぁ」
「あはは」
さっきまで、甘いカンジだったのに、サツキさん切り替え早いよ。
「あ!えっと、司くんはどうしたい?」
「フフ、じゃあ短くしようかな。サツキさんにまかせるよ」
サツキさんがカットしてくれるの、楽しみ。
「明日、よろしくねサツキさん。今日は、もう寝よ」
「うん」
俺はサツキさんをまたヨシヨシした。
…キス…したいなぁ。
頭に乗せた手を、頬に移動させてみた。
「司くん。ほっぺはね、薬ついてて苦いよ」
!
「…じゃあ」
顔を寄せて、軽く、唇にキスした。
コレ、自分の部屋で目を覚ましたら、全部夢でした!とかないよね?


