ももいろ


俺は思いの外大きい声が出て、自分でびっくりした。

一呼吸置いて、続けた。

「だって、ずっと、このまま?そんなの、もったいないよ!サツキさん、綺麗だから新しい恋なんてすぐ見つかるよ?」

イテッ

なんかまた心臓的なものが…

まあいいや、俺は続けた。

「仕事だって、また美容師したらいいじゃん。そんで、痛くなくなったら、お友達に会いにいけばいいじゃん」

サツキさんはふふっと柔らかく笑って俺を見た。

わかってくれたのかな?

安心して俺も笑いかえそうとしたら、サツキさんは微笑んだまま言った。

「面倒臭い、そういうの」

!!

「もう、いい。風俗できなくなるまでお金貯めて、その後は貯金食い潰しながらダラダラするよ」

質問には答えましたよ、気が済んだ?とでも言いたげな笑顔。

サツキさん…。

「俺、やだ」

「ん?何が?」

「サツキさん、ちゃんと笑ったら可愛いのに、そんな変な笑い方、やだ」

「へん…」

「変だよ!」

俺はベッドに腰掛けて、サツキさんを正面から見た。

「それに!そんなやけくそみたいな考え方、俺やだ!」

「か…」

「関係なくない!」

熱くなってきちゃったのは、自分でわかったけど、止められなかった。

「あと!サツキさんが他の男の話すんの、やだ!」

「…なん」

「なんでじゃない!やだ!」

「司くん、意味わ…」

「意味わかれ!俺はヤキモチ焼きなんだよ!」

「な…」

「なんでじゃない!」

「だ…」

「だってじゃなーい!」

俺はエスパーか?

ていうか誰か止めて俺を。

ああ…

もう、いいや…

「サツキさん、自分で言ったんじゃん…」

認めるよ。

「好きだから、大事に思うんだよね?」

俺は短絡的。

俺はサツキさんの顔を正面から見据えて、言った。



「好きだよ」