ももいろ


「????何が?」

俺は360゚回りそうな勢いで首をかしげた。

今日のサツキさんは予想外だらけだな。

サツキさんはタオルで顔を隠したままボソボソ言った。

「あの、…大事…なんて…初めてで。どういう顔していいかわかんない」

…。

……。



俺は君にキスして

見つめて

「好きだよ」

と言ってきつく抱き締めた。



なんて展開にしかねない、今の俺。

あー…

キスしたー…い…い…い

「いかーーーん!!!」

俺の大声にサツキさんはびくっとして顔を上げた。

好きだよって何!?

違うでしょ!俺のバカ!

「司くん!?」

「んふっ、普通の顔してりゃいいよ!俺は別に変なこと言ったわけじゃないし!よし、じゃあ早くじんましん治そうね!薬!薬とかないの!?」

サツキさんは目をぱちくりさせながら、

「ドレッサーの…引き出しのどれかに入ってると思う」

とベッドから這い出そうとした。

「わかったー!俺が探すよ動かないで!」

近寄らないで!

今やばい!

ぎゅーってしそう!

「そ、そう?適当に開けてみて」

「わかった!」

盛り上がってんの俺だけ。

落ち着け俺…。

エロい気持ちとは別で、どーしようもなくもやもやするなんてこと、あるんだね?

知らなかった。

「…」

探すとは言ったものの、女の人の引き出し、男の俺が開けていいもんかどうか悩んだ。

「たぶん、一番下の…」

サツキさんが動く気配がしたから、

「一番下ね!ハイわかったよー動かないでねー!失礼しまーす!」

思い切って開けてみた。

…うーん?

「どんな?」

「水色のフタの、ちっちゃいタル」

「タル??クリーム入れ?」

「そう」

なんか細かいもんがいっぱい入ってるのかと思いきや、意外とがらんとしていた。

さすがサツキさん…。

「あ、これ?」

「それ」

引き出しを閉めようとしたら、奥で何か引っ掛かってうまくいかない。

なんだ?

俺は引っ掛かってるものをずらそうとした。



…ハサミだ。