「なんなのサツキさん…」

俺は多少ゲッソリした。

「俺が心配したり世話したりすんのに、理由がいるわけ?」

意味わかんない。

「家政夫くんは、黙って家のことだけしてくれてたらいい」

ムカッ…

「何それ!可愛くない!」

俺はサツキさんの顔に優しくあててたタオルをぎゅうぎゅう強く押しつけた。

「痛いっ」

「痛がれ!」

俺は怒ったよ!

「なんだよ、少し仲良くなれたと思ったのに!サツキさんのバカ!」

サツキさんはタオルを俺に投げ付けてきた。

「なんで仲良くなる必要があんのよ!?バカはそっちでしょ?あたしは司くんと距離を置きたいの!だから構わないで!」

…。

サツキさん…。



なんでそんなこと言うの?



「…」

「…」

気まずい沈黙が流れた。


…。

「ねぇ司くん」

「はい」

情けないことに、俺少し涙目。

サツキさんは自分で顔を冷やしながら俺のほうを見ないで続けた。

「あたしに優しくしてくれるよりさ。女の子に優しくしてあげたほうがいいよ。ホテルに残してくるなんて、冷たすぎる」

「ん?」

へ?

…はぁっ!?

「そ、なん、し…」

びっくりしすぎて言葉にならなかったけど、言いたいことは伝わったみたい。

「さっき、見た。ラブホテルから、司くん一人で出てくるとこ」

…!!

「あ、あれは、そのぅ…ごめんなさいサツキさん」

「別にあたしに謝ることじゃないじゃん」

いや、サツキさん知らないだけで、俺いろいろアナタでイヤラシイ想像を…ごめんなさい。

そんなの言えないけど。

「いや…そのぅ。もう、しません」

てゆーかできません。

「だからそうじゃなくてさ」

サツキさんはため息をついた。

「ヤリ捨てって思われちゃうよ、冷たくしてると」

…はぁ?

「女の子の気持ちをもてあそぶ司くん、最低」

…ちょっと。