ゆきちゃんと教室に戻ると、教卓には田中先生の姿があった。

ゆきちゃんが席に着いたことによって、椅子の音に反応した先生がこちらに気付いて、私と目が合った。

……本当に睨まれているー!!

き、気にしないようにしよう、うん。

さりげなく視線を反らせて、席に向かうと誰かの足によって、つまづいてしまった。


「…瀬戸!何するのよ、危ないじゃない!」


振り返れば、足を通路に出したまま、笑いをこらえている瀬戸がいた。


「ちょっと佐々木さん!うるさいわよ、瀬戸くんに謝りなさい!」

「ええ?!」


明らかに一部始終を見ていた田中先生が、すごい剣幕で私を怒鳴り付けた。

これには、流石に瀬戸もきょとんとしていた。


……どうやら、私は完全に嫌われてしまったらしい。

にしても理不尽!