「どうしました?」
秀さんが「もう一回計るね」と言ったので、大人しく再び姿勢を正して計ってもらった。
「おかしいなぁ…去年の数字と合ってないよ。身長は伸びてるのに、2㎝も縮んでる」
あ、それ多分田中先生のせいだ。
でも言ったら後が怖いから、黙っておこう…。
「さ、さっき頭ぶつけたから、そのせいかと…!」
「そうなの!?大丈夫?」
「あ、はい」
苦し紛れの言い訳なのに、そんなに心配そうな顔されたら余計気まずくなる…。
「軽くても打ち所が悪かったら大変だからね。気をつけて」
「はい、すみません…」
「謝る事はないよ。ただ、楓ちゃんは危なっかしい所があるから気が気じゃなくてね…」
「あ、あはは…」
小さな溜め息を吐きながらカードに記入する秀さんに、私は苦笑いをするしかなかった。
「あんまり俺の……いや、なんでもない。はい、カード」
「…?はい」
「じゃ、またね」
秀さん、何を言おうとしたのかな。
とりあえず後がつっかえていたので、私は急いで次の列に並んだのだった。