俺様王子のお姫様

キスが終わると
高石優はゆっくり
唇を離した。

「…泣かないんだ」
高石優は私を見つめながら
そう言った。

「…ごめん、私やっぱ帰る」
私は高石優の腕から逃れた。

「怒ってんのかよ」
「…」
怒るよ、そりゃあ。
私の気持ちはっきりして
ないんだもん。

「おい!待てって」
「待たない!」
「なんなんだよ…
何で怒ってんだよ!!」
高石優は私の後ろ姿に
怒鳴った。

「私の気持ちはっきり
わかんないだもん…
なのに、あんたがキス
なんかしたら余計に
わかんなくなるんだよ…」

私はそのまま帰ろうとした。