高校1年生、夏。

「空ー早く!遅刻する!」
こんな暑い中走るのは
地獄だ。
―ガラッ
「間に合ったー…」
いつもこんな感じ。

そして休み時間になると、
同じクラスの親友の香織が
ノロケてくる。

「昨日拓翔と一緒に
帰れなかったんだー…」
「そうなの?」
「サッカーのミーティング
長引いてさ…」
拓翔とは香織の彼氏。
拓翔はサッカー部の部長。
最近忙しいらしい。
「いいなー…香織」
「え?」
「私も恋したーい」
「私も空と恋話したい」
っていつも思ってるけど、
なかなか恋できない。

「香織ー」
香織を呼んだのは
隣のクラスの拓翔。
「ほら香織、彼氏が
呼んでるよー」
「じゃ、行って来る♪」
本当に幸せそうだ。
最近香織を見てそう思う。