私があなたと会ったのは、あの時。

私はあんまり覚えていないけど、あなたは私の事をはっきりと覚えていてくれた。


あれは、私が高校に入って2ヶ月後の6月。

雨の日に私は傘をささずに彼を待っていた。

私の大好きな場所。学校の裏庭で。

でも、彼はなかなかSHRが終わらなくってかなり待っていた。

「ねぇ、傘持ってないの?」

1人の男が私に声をかけてきた。

その人は私よりも背がかなり高くって…私との身長差は30センチぐらいあったのかな?

「はい。持ってないんです…。」

私は、その時傘を持ってなかっだ…。

「俺の傘をあげるよ。」

と言い、その人は私に傘を渡してきた。

「え…でも…」

私がどうしようと困ってると…

「いいから!俺さ、折り畳み傘持ってるから!」

と、渡された。

「あの、何年何組の人ですか?」

傘を返さなきゃいけないからクラスとか聞いとかなきゃ!

「え?」

何でそんなこと聞くの?みたいな顔をしたから私は、

「傘を返さないといけないでしょ?」

にこっと笑顔で言った。