ティッシュに涙と少しの残骸

【バイトどうする?】

期末テストも終わり季節は冬。
いつものあたしの部屋でココアを飲んで漫画を読み終えた星流が突然聞いてきた。

「また使ってくれるかなあ?」
【募集してるか聞いてみるね】

携帯をブレザーの左ポケットから出して電話をかける星流。
あたしは飲み終えたカップを2つ持って部屋を出る。冷えた空気が足元に絡みついて大きく脚を振り落とした。
ココアの粉末と熱湯をカップに入れてスプーンでくるくる混ぜる。
最近星流にキスしたくてかなり精神状態がヤバい。夢にまで見る始末!自粛しないとね…

ゆっくり、そうっと階段を昇りドアを足で蹴った。

【あ、ありがとう】

ドアを開けてくれた星流に抱きつきたくなる衝動を抑えて、抑えた。

【また使ってくれるって!よかったね】

ふ~っと息を吹きかけココアを冷ましながらあたしの一番好きな笑顔で教えてくれる。

「稼ぐぞ―」
【真雪ったら】

外は雪がはらはら舞っていた。