ティッシュに涙と少しの残骸

星流の読みかけの漫画を手に取り、ベッドに寄りかかって読み始めたら嗅覚が異様に働く。
星流の匂い…
ジャスミンの薫り…
漫画を閉じてベッドに横たわる。クーラーのリモコンで温度を上げた。夏休みももう少しで終わる。来年は星流彼氏とかと過ごすのかな…

チクリ
心臓に針が刺さる。小さいのに結構痛い。
天井から垂れ下がっている真っ赤なハートのレリーフが目に入った。

【アイス食べよ~!あれ?真雪眠いの?】
「早かったね。食べる、食べる!」

ベッドから跳ね起き床に座る。漫画をよせてアイスの蓋を開けゴミ箱へ放った。

【明日もバイトだね。あと…3日くらいで終わるかぁ】
「うん、また勉強の日々が始まるね」

アイスをこねくり回しソフトにしながら口に運ぶ。

【勉強解んないとこ有ったら遠慮なくゆってね】
「ありがと。でも一人でやれる様にならなきゃね」
【まあ一人で勉強したい時もあるもんね】

学校の事、バイトの事、お互いの家族、恋愛

眠くなるまで星流とベッドで話した。横たわって話してたから…いつの間にか眠っていた。