ティッシュに涙と少しの残骸

いつもの景色に河原で遊ぶ子供たち。楽しそうな笑い声と少しの泣き声が混じってこの緊迫した空気を伝って私の耳に入ってくる。

「なんでわかれなきゃいけないの?やっぱりそのこがすきなの?」

美葉さんが泣きそうな顔で余所見をしていた私を見据えた。猛が私の前に立ち大きな背中で隠してくれる。

『星流は関係ない。俺は美葉のことが好きな気持ちは変わっていない』
「じゃあなんで!?」

美葉さんの悲痛な叫びは河原で遊んでいる子供たちにも届いて何人かこちらを振り向いた。

『俺の気持ちは変わらないけど、美葉の気持ちが変わったんだろ?侑一も美葉のこと、ずっと好きだったんだろ?』

私、ついてきてよかったのかな…?あの時玄関に座って靴を履いてる猛の背中が泣きそうになってたから思わず一緒に行くってゆっちゃったけど、居ない方がよかったかな…
猛の広い背中にそっと右手で触れた。