ティッシュに涙と少しの残骸

階段をもう少しで降りきるところで猛の背中が見えた。

【もう帰るの?】

階段を完全に降りて猛の広い背中に接近する。

『呼び出されてさ、美葉のことだから侑一を使ったんだろ』
【…私も一緒に行く】
『美葉にひどいこと言われるかもしれないぞ?俺、星流のこと傷つけたくないから待ってろ。終わったらまた来るから』

猛の言葉に胸がちょっぴりキュッと苦しい。

【平気だよ!それに美葉さん誤解してると思うし。私も説明すればきっと理解してくれるよ】

猛は苦笑いして私のPUMAのスニーカーを取って揃えてくれた。

『何かあったら走って逃げるぞ』
【怖いことゆわないでよ】

玄関の鍵を閉めて猛がメールを送りいつもの河原へと足並み揃えて向かった。