ティッシュに涙と少しの残骸

スニーカーを履いて学舎を出てケータイを取り出し星流に電話をかける。冷たいコール音が耳に響いた。あの日の事を謝りたいがなにせ出てくれない。
今日も駄目か…と諦めかけたらプツッとコール音が切れた。

【はい…】
『今日河原に来るか?話があるんだ』

やや間があって

【実は私も話があるの…。今夜私の家に来てくれないかな?】

星流からの意外なお誘いに思わずゴクリと喉を鳴らした。短く返事を返したら河原にも行くよとケータイの向こうで笑う星流の声にほっとする。

『ちー助すんげぇ喜ぶよ。覚悟しとけよ』
【あははっ♪負けないってゆっといて】

じゃあ後でと会話を終えてケータイを仕舞う。元気な星流を少しでも感じとれて安心したと同時にどんな話なんだろうと不安がわいてきた。早く河原に行かなきゃ、気持ちが俺を急かすから自然と歩みが速くなってくる。