ティッシュに涙と少しの残骸

「なんか言ってよ…」

小さい美葉の震える身体を抱きしめてできるだけ優しくゆっくり背中を撫でる。美葉が落ち着くまでしばらくこうしていよう…
階下から珍しくちー助の吠える声が聞こえてきた。何か有ったんだろうか。ダダダと迫ってくる足音が聞こえてきてバンッ!とドアに何か当たった音が部屋に響いた。その音に美葉が小さく驚いて俺のTシャツを握った。

【猛?入るよ】

キィとドアを開け星流と目が合う。空気が一気に張りつめた。

驚く星流
星流を睨む美葉

美葉の突き刺さる視線に耐えながら星流は彼女が来てるならメールしてよね、と部屋を出ようと背中を向けた途端美葉が俺の腕からするりと抜けて星流の左手を掴んだ。

【イタッ!なっ、なんですか!?】
「猛は私の彼氏よ!あんたには渡さないんだから!」

美葉が星流の胸ぐらをぐいっと引っ張ったらシャツのボタンが弾け飛んだ。

『美葉!やめろ!!』
「なんで庇うの!?その子が好きだからでしょ!?」

美葉の両腕を強く握り離さないと痛くなってくぞと脅したら美葉は観念して星流から手を離した。