【猛!ちー助!おはよう】
『おはよう』

ワンワンッ

兄さんに会いに行った日の夜に星流からお誘いメールがきて俺たちは今桜並木の真ん中に居る。
日曜の早朝はまだ人もまばらだ。犬の散歩やジョギングをしてる人たちが足早に過ぎてゆく。

『いい天気だな~あ…』
【こら、欠伸しないの。こっちだよ】

いやに張り切ってる星流に黙ってついていく。ちー助は尻尾が千切れそうなくらいブンブン振り回して俺を引っ張って星流の後を追う。

【どお?絶景スポットでしょ?】
『お―!すげぇな』

さあっと風が吹き桜木を揺らして花びらを空の彼方へと連れてゆく。どこまでも蒼く拡がる空と淡紅の桜が目眩がするほど美しい。

【いつもの河原でもよかったんだけどね。たまにはいいでしょ?】