ティッシュに涙と少しの残骸

病院から自宅へと俺達5人は帰ってきた。永遠の眠りについた兄さんを乗せて。

『父さん、兄さんに何が有ったの?』
「なんでかけ兄ちゃんが…」

将の背中を撫ぜながら父さんの言葉を待つ。

「精神科の患者を診察してた時にな、患者の状態が急変して翔に襲いかかったんだ。いつもは2人で診察してるんだがあいにく看護師が忙しくて翔1人で診察を進めてる時に…駆け付けた時にはもう遅かった」
『その患者さんはどうなったの…?』

目を伏せてため息を吐いて、出て行ってもらう事になる、と重い口調で短く言った。

お通夜、火葬、葬儀と事が淡々と進んでいく中母さんは泣きっぱなしで、父さんは忙しくて、将は暗い顔で、俺は…
俺は兄さんが死んだとゆう事実を受け入れられなくて無表情、無感情で兄さんの最後を見送った…