ティッシュに涙と少しの残骸

穏やかな寝顔に不似合いな首元。そこにはくっきりと手形が残っていた。

『父さん、これ…なに?』
「あとで説明する。将、母さんと一緒に来なさい」

将も信じられないといった表情で兄さんをみつめていた。
…母さんは、父さんに寄り添って声を圧し殺して泣いている。

なあ、なんで?
なんで兄さんがこんな目に遭わなきゃならなかったんだよ
なんで…

胸のざわざわは頭痛に変わって俺の頭を犯し始めた。ぐるぐると何回もなんで?が廻(めぐ)り、飲んだカフェオレが飛び出てきそうだ。

「猛、しっかりしろ。…行くぞ」

語尾が震えてたよ、父さん…