ティッシュに涙と少しの残骸

「頼むから大きな声は出さないでくれ」

父さんを先頭に静かに歩いてく。薄暗い場所でアルコール臭いにおいが空気中を漂っていて胸焼けがした。
こんな所に兄さんが居るのか?これじゃまるで…、いや、まさかそんな事ある訳ない。

「猛、先に入れ」

歩きながら考えてたら到着したらしい。将は母さんの手を握ったまま俯いている。母さんの肩は震えている…
息を飲み込み一歩足を踏み入れたら、真っ白な壁に囲まれた部屋に兄さんは横たわっていた。



なんだよ
これ

何かの冗談だろ
今日はエイプリルフールだっけ?

ずり、ずりと歩みを進め兄さんに近付く。