寺院の隅には樹齢100年くらいだと言われたら簡単に信じてしまいそうな幹の太い立派な桜が雄々しくそびえ立って、可愛らしい八重桜を咲かせていた。母さんの小さい背中について行きながら砂利を踏みしめる。
兄さんが居なくなってもう5年、俺は兄さんと同じ年齢になった。墓の前に立ち花束を手向ける。母さんは目に涙をうっすら浮かべて掃除をしながら小さな声で
「ごめんね、ごめんね…」と繰り返しながら震えている。ふたりで手を合わせ兄さんに届くように祈った。
兄さんは俺の自慢だった、もちろん両親もそうだった。頭脳明晰、スポーツ万能、おまけに優しくてかっこいいときたら女の子にモテモテだ。でもそれを決して自慢しないのが兄さんの魅力のひとつでもあったんだ…
兄さんが居なくなってもう5年、俺は兄さんと同じ年齢になった。墓の前に立ち花束を手向ける。母さんは目に涙をうっすら浮かべて掃除をしながら小さな声で
「ごめんね、ごめんね…」と繰り返しながら震えている。ふたりで手を合わせ兄さんに届くように祈った。
兄さんは俺の自慢だった、もちろん両親もそうだった。頭脳明晰、スポーツ万能、おまけに優しくてかっこいいときたら女の子にモテモテだ。でもそれを決して自慢しないのが兄さんの魅力のひとつでもあったんだ…



