彼女の顔を初めてまともに見たと同時に、瞬時に彼女の身体は俺に密着していた。

『え!?ちょっと、あのっ…』
【真雪っ!まゆきぃ…】

彼女が抱えていたティッシュ箱や残骸が散らばり北風に吹かれて微妙に移動している。小さな身体で俺にしがみついて泣く女の子。少し嗚咽しながら哀しそうに泣いてる声に胸の傷が開く。

『ちょっとごめんね』

彼女を抱きかかえ、ちー助を呼んだ。



『はい、どうぞ』

カフェオレの缶を渡し彼女は浅く礼をして受け取った。ちー助は彼女の隣に座り鼻息を荒くしている。

『ちー助、お利口にしろよ』
【ちー助くんってゆうんだ。初めまして】

初めて聞いた彼女の声は
身体と同じく痩せ細った声だった。
見たところ…摂食障害者だな、拒食症ってとこか?あまりにも細い身体、痩せこけた頬、ボロボロの肌、艶のない髪の毛。高校生くらいかな。

【ふふふ。くすぐったいよ♪】
『あっ!ちー助、こらっ!!』

彼女を視察していたらちー助のやつ、じゃれて頬を舐めていた。