執事と共にお花見を。

「……ようやく、目的の場所まで上れましたね」


桜の木の上。


「もう、強引に引き寄せるんだから」

「ですから、私がやると何度も仰ったのに……」

「うるさいわよ」

「さ、あまり長時間上っていると木が更に傷みます」

「わかってる」


恵理夜は、そっと枝の根本に傷をつけ、そこに気の抜けた炭酸飲料水を注いだ。