執事と共にお花見を。

「花を供えていた奥様、あのお花屋さんと随分仲がよかったみたいね。お葬式まで参列させてもらった、って仰っていたわ」

「…………」

「奥様が亡くなって、貴方は再びこの街に戻ってきた」

「それが、どうしてワシだといえる」

「病院よ」

「…………」

「私も通っている病院は、先端医療を導入しているとても大きな病院よ。そして、貴方は目を患っている」


老人は、白濁の広がった目を閉じた。


「私の執事が調べたの。貴方がこの病院の治療を受けることを。だったら、この街に戻ってくる理由が、貴方にはある」