「あの…」


「何だ?」


「今、西暦何年ですか?」


「せいれき?」




えっ…西暦って通じないの!?




「じゃあ年号は」


「天文だ」




ててててて天文!?


いつだったっけ…


何か聞いたことあるぞ


確か…1500年あたりだった気がする




「ってじゃあ戦国時代なの!?」




確かにそれなら辻褄(つじつま)が合う


鎧を着てるのも、刀を持ってるのも、着物なわけも


つまり私は…タイムスリップしたってこと…?




「何を一人で言ってんだ!!俺の質問に答えろ」


「えっと…何でしたっけ?」




目の前の少年の怒りは臨界点を突破しかけている




「お前は何者だ」


「私はですね…」




未来から来ました…とは言えないし…


どうしよ…何て言ったら…




「名前は」


「あっ空夜響乃って言います」


「空夜響乃…か」




そして少年は再び先程の質問を口にした




「で、お前は何者だ?」