怪我人のその人を手助けしながら立ち上がると、城を目指し歩いた
「大丈夫ですか…?」
「ああ…このくら、い…平気…だ…」
まるで私を安心させてくれるかの様に笑うその人の額には脂汗が滲んでいる
「お前…何があったんだ!?」
「佐々様…」
向こうの方から私と同じくらいの歳だろうか、少年がこちらに走って来るのが見えた
「その怪我は…」
「今川の兵…に…」
「くそっ…今川め。まだ進軍させる気か」
今川?進軍?
何の話をしているのかまるで理解出来ない
「それで、こいつは?」
「私めを…助け、て…下さい…まし、た…」
「そうか。お前は早く手当てをしてもらえ」
何人かの男たちが、怪我をした男を連れて行った
「それでだな、お前はどこのどいつだ?」
「えっ…あの…」
何この人
袴なんか履いて
さっきの人たちは鎧だし
一体ここはどこなの?

