その日は朝から騒がしかった。


「隊長殿!」


「あぁ。今行く!」


城の兵士隊第5番隊隊長のレオンはベッドから飛び降りた。

部屋から出ると、副隊長のリースが隊長羽織りを持って立っていた。


「本当なのか!?」


大広間に向かいながら、レオンはリースに問いかけた。


「えぇ。今朝方…」


なんてことだ……。


「病死か?」


「表向きはそうですが…」


「暗殺、か」


リースは無言で頷いた。



国王、クリス様が今朝方暗殺された。
レオナルド、お前は大丈夫なのか?



バーンッ!



大広間の扉を思い切り開けると、思いの外、人は居なくて、国王補佐のザックとザックの護衛隊が居るだけだった。



「お早いおつきで、5番隊様」


ザックが不適に笑ったように見えたのは気のせいだろうか……。


「国王の死因は?」


「病死だ」



ザックの答えは反論を許さなかった。



その後、衛兵隊全員が集まった。


コックや執事は居ないみたいだ。