蝋燭の明かりで少年は書物を読んでいた。



――『天は神に地を与えた。
9人の神が1人1つ島を貰った。
その9つの島に囲まれているのが、孤高の島国、アル。
10個の島が集まった、この王国をアルホード王国と呼ぶことにしよう。』



少年は一度、書物を閉じ、9つの島を思い浮かべた。
そして、再び書物を開く。




――『水の神、ウォルター。火の神、ファンディム。木の神、ウール。氷の神、アイリス。土の神、サティ。鉄の神、ティロン。花の神、フランディーズ。雪の神、スノー。そして、夢の神、ドリマー。
神は他の神と関わることなく、自分の才能を磨いた。
天はそれぞれに子孫を与え、子孫は先祖と同じように生きた。
島は他の島と関わることなく、独自の文化を築いていった。