「こっちに来るぞ?って、おい、ゆかり」 冷や汗をかく私に気づいた颯人が、不思議そうに声をかけてくるけど。 今は、それどころじゃない。 ……な、なんで!? 「てめぇ、ゆかり。俺を待たせんなって言ったよなぁ?」 メガネ越しに睨んでくる男は、微かに怒りを含んでいる声で。 思わず逃げ腰になるが、すぐ後ろに立っていた颯人にぶつかってよろめいてしまった。 「っと。ゆかり?」 とっさに支えてもらいながら颯人が不思議そうな顔で私を見ていた。 声をかけてきた男とは、先ほどのメールの相手・香だった。