「お、玲ー!」
「……いちいち叫ぶな、真咲」
ダルそうに出勤する玲の姿があった。
ワイシャツを胸元まで開け、ネクタイもきちんと締まっていない玲の格好に、俺は目を細める。
……あいつ、完璧二日酔いだな。
「大丈夫か、玲?」
「……酒、抜けねぇ」
「あんなペースで飲むからだろー」
「うるせぇ」
酒から渡された水を受け取り、一気に口に流し込む玲。
「とりあえず忙しいんだから、早く着替えてこいよー」
「へーへー」
怠けた返事をしながら更衣室に入っていく。
そんな様子を目で追いながら、俺はまた酒に口づけた。
すると何やら心配そうな表情を浮かべた悟が寄ってきた。
「香、ゆかり遅くないかな?」
