あいつが聞いたら、どんな顔をするだろうか。
思い出したら可笑しくて、ふと笑みを溢していた。
そんな自分に、俺は気づかずに。
「珍しい~香さんが笑ってる。なぁに、思い出し笑い?」
「何か良いことでもあったー?」
そんな俺に、女子大生たちが少し驚いた表情で見つめていた。
笑ってる?
……この俺が?
「……笑ってねぇよ」
眉を寄せながら不機嫌そうに返した。
グイ、とグラスの中身を飲み干し、らしくもない自分を否定する。
すると、カランと鈴の音が鳴りお店のドアが開くのが分かった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…