この……酔っ払いめ。 『意味わかんない。じゃあね』 この際、もう無視だ。 酔っ払いに構ってられないわよ! 香の態度に苛ついて、バッグに手を伸ばした。 もう知らないっ! 少し乱暴にバッグを持ち上げ、背を向けて帰ろうとした。 が、それはあっけなく拒まれた。 『きゃあっ……!』 強い力でバッグを引っ張られた。 あまりの勢いに後ろに倒れそうになり、 思わずギュッと目を瞑った。