『お願い、離して……』 「離さない」 『っ、英二……!』 「話を聞いて欲しいんだ、ゆかり!」 掴む腕にいっそう力が入る。 こんな英二、私は見たことがない。 こんな英二、私は知らない。 いつも笑っていて……優しい人だった。 でも、目の前にいるこの人は―――誰……? 『や……やだ……』 昔の記憶が、脳裏をよぎった。 笑うあなたは―――だれ? ―――……私……? 『いやぁっ!怖い……!!』