白亜の記憶

ニナの方が、ベットを降りて、距離を作った。

「でも、あたしは不良品だから、そう簡単に治らないかも」

「不良品、って。そんな言い方」

「うーうん。自覚してるからいいんだ」

言って、白亜は自嘲の笑いを浮かべる。

「誰か他の守り人を手配してくれるといいのにね」

ニナは、少し黙って、白亜を見た。

それから、

「オレは、もう、守り人なんかいらない」

静かな口調が降って来た。